日本ではお金を儲けることに対してなぜかネガティブに評価されがちです。
それは江戸時代の「重農主義」による価値観が定着しているからだという意見があります。
となると八代将軍が吉宗じゃなくて宗春だったらー、もしくは田沼意次が失脚しなかったらー、今の日本社会がガラッと違ったものになったかもしれません。
というわけで、田沼意次のこと正しく理解したい、専門書じゃなくて物語の田沼意次を読みたいと思っていました。
するとちょうどよく本書が新聞の書評で取り上げられていましたので、早速購入して読みました。
ただ、本書の中で田沼意次は主要登場人物4人のうちの一人にすぎません。意次の他に、厭世的な物書きや妻の浮気に悩む真面目な武士、社会を憎むテロリストなどが出てきます。
それらの登場人物の話も面白いっちゃあ面白いのですが、田沼意次VS松平定信のガッツリした対決を読みたかったので、肩透かしを食らったような感じです。
評価は☆☆。再読はないです。
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