歴史小説

「栄花物語」山本周五郎

日本ではお金を儲けることに対してなぜかネガティブに評価されがちです。それは江戸時代の「重農主義」による価値観が定着しているからだという意見があります。となると八代将軍が吉宗じゃなくて宗春だったらー、もしくは田沼意次が失脚しなかったらー、今の...
歴史小説

「男の愛」町田康

町田康の小説は久しぶりに買いました。特徴的な文体で、むかしの「くっすん大黒」なんか好きでした。けっこう読んでいたのですが、途中からなんか面倒くさい話が多くなって、すっかりご無沙汰していました。久しぶりに本屋で本作を手にとって、軽く読めそうだ...
ヒューマン

「あの夏のクライフ同盟」増山実

青春小説はわりと好きです。自分がもういい年だからか、現在進行の話よりも回顧する話のほうが好みです。というわけで「あの夏のクライフ同盟」ですが、あの夏は1974年を指しています。北九州の中学生4人が、サッカーW杯決勝戦でオランダのヨハン・クラ...
ヒューマン

「バリ山行き」松永K三蔵

本作は芥川賞受賞作品ですが、デビュー作の「カメオ」を先に読んでいて、そちらが面白かったのでこちらもという流れで読みました。登場人物にリアリティがありました。ただ、ストーリーにあまり起伏がなくて、主人公の仕事の話なんかは少し退屈で、正直言って...
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2024年に読んで1番面白かった本

2024年に読んだ本の中で一番面白かったのは、穂波了の「月面にアームストロングの足跡は存在しない」でした。月開発のプロジェクトチームに「アポロ11号はリスクが大きすぎて実は月に着陸してなかった、この事実を隠蔽するため月面に足跡をつけてこい」...
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祝直木賞!「藍を継ぐ海」伊与原新 

もともとは某国営放送のドラマ「宙わたる教室」がきっかけでした。見ていて面白かったので原作を読んでみたら、それもよかったです。そして本作「藍を継ぐ海」ですが、直木賞候補になっていることを知り、「こりゃ来るな」と思って買って読みました。短編集で...
ミステリー

「逃亡犯とゆびきり」櫛木理宇

ライターが同級生のシリアルキラーにヒントを貰って、埋もれていた事件の真実を解き明かす類の小説です。それって「羊たちの沈黙」じゃんと思ったけど、同級生のシリアルキラーがレクター博士ほどの凄みがなくてちょっと物足りないです(レクター博士と比べる...
ノンフィクション

「進化心理学から考えるホモサピエンス」アラン・S.ミラー/サトシ・カナザワ

橘玲さんの本によく進化心理学の話が出てくるので、いつか入門本みたいなのを読みたいと思っていたところ、オーディオブックで見つけました。非常に読みやすく、進化心理学への理解が深まったのですが、結論は1つしかありません。「人間は生存と繁殖を最適化...